ZC研コロキウム "核燃料サイクルシミュレータを用いた原子力将来シナリオ研究会”

ZC研コロキウム "核燃料サイクルシミュレータを用いた原子力将来シナリオ研究会”

【目次】

【開催概要】

主催 東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所

日時 2024/2/16(金) 13:00-16:30 

場所 大岡山キャンパス 緑ヶ丘6号館

概要

【概要】日本のゼロカーボン達成には原子力利用が不可欠であり、それに向けた政策議論や、研究開発の基盤となるシナリオ研究の重要性が一層増している。東工大と日本原子力研究開発機構は、将来原子力を解析するための核燃料サイクルシミュレータNMB4.0を共同開発し、多くのステークホルダーが将来シナリオを立案できるように無償公開している。本コロキウムではNMB4.0を用いた研究や、その他のシミュレータを用いた研究を広く議論し、今後のシナリオ研究に役立てる。

【プログラム】

13:00~13:20 開会挨拶 竹下健二(東京工業大学)

13:20~14:40 第一部 核燃料サイクルシミュレータの開発 座⻑ : ⻄原 健司(JAEA・東工大)

  1. 東芝核燃料サイクルシミュレータ ATRUNCYS の開発 東芝エネルギーシステムズ株式会社 和田 怜志
  2. 第2回NMB研究会_東芝.pdf2463.0KB
  3. 小型金属燃料高速炉の国内導入シナリオの検討 日立 GE ニュークリア・エナジー株式会社 渡邉 大輔
  4. IAEA の燃料サイクルコード:NFCSS トリウム熔融塩国際フォーラム 吉岡 律夫
  5. 第2回NMB研究会_NFCSS.pdf5736.5KB
  6. NMB4.0 の概要とアップデート履歴 日本原子力研究開発機構 阿部 拓海
  7. 第2回NMB研究会_TEAM NMB.pdf2135.4KB

14:50~15:35 第二部 将来シナリオ研究 座⻑:中瀬 正彦(東工大)

  1. ケイ化物燃料中小型軽水炉の運用に関する諸量評価 原子力環境整備促進・資金管理センター ⻑田佳己
  2. 第2回NMB研究会_原環センター.pdf1856.8KB
  3. 日本における最適濃縮度の検討―日本に HALEU は必要か? 株式会社スタズビック・ジャパン 山崎 正俊
  4. 第2回NMB研究会_スタズビック・ジャパン.pdf759.1KB
  5. ゼロカーボン社会に向けた、高速溶融塩炉を搭載した船舶の導入シナリオ研究 東京工業大学 中瀬 正彦

15:35〜16:30 第三部 ディスカッション「原子力将来シナリオ研究と解析手法」 座⻑:⻄原 健司(JAEA・東工大)、中瀬 正彦(東工大)

NMB研究会_全体_dist.pdf876.4KB

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活発にご議論いただき、ありがとうございました

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【全体討論および提言】

【リスクコミュニケーション・教育】

  • JAEAや東工大で、国内の個別サイトの解析が進んでいる。これらは地元経済性の将来予測や、数値に基づいた地元説明に有用と考える。
  • 諸量評価は、電気事業者の意思決定に使われていないようである。理由・ニーズなどを調査する必要がある。
  • 原子力・エネルギー教育において、知識を与えるだけでなく、自ら将来を考えるツールとして使える。
  • (提言2-1) 国内個別サイトの将来予測を進め、地元とのコミュニケーションなどに役立てる。

【乾式再処理】

  • 乾式再処理では金属燃料だけでなく、ウラン使用済み燃料やプルサーマル使用済み燃料を再処理することも可能である。TRLも考慮しながら、バランスよく複数の再処理方式の研究開発を行うべき。
  • NMBで乾式再処理を取り扱えるようにし、再処理方式の違いを評価できると良い。
  • (提言2-2) NMBに金属燃料・酸化物燃料の乾式再処理データベースを整備する。

【経済性】

  • 開発コストと、経済性のトレードオフを評価できると良い。例:分離変換技術の開発コストと、処分場コストの低下の比較

【ロバスト性】

  • 再処理工程が停止すると、発電に影響を及ぼすことが懸念される。そのような事象に対して評価が可能なようにし、分散再処理の有効性を示す。
  • (提言2-3) NMBで将来核燃料サイクルシナリオのロバスト性の評価を可能とする。

【核不拡散・セキュリティ】

  • シナリオの核不拡散性は、日本ではあまり議論されていない。
  • (提言2-4) NMBで将来核燃料サイクルシナリオの核不拡散性の評価を可能とする。

【シナリオ構築】

  • 海外の諸量評価を行い、世界の原子力課題を日本のサイクル技術で解決することを提案する。
  • 再エネ連携など他エネルギーも含めて評価する。
  • 高速炉・ガス炉の共存など、次世代型炉ベストミックスの検討を進める。
  • 船舶、宇宙炉など、エネルギー分野以外への取り組みが重要。
  • (提言2-5) NMBで海外の将来モデルを作成し、核燃料サイクルの導入効果の議論を可能とする。

    (提言2-6) 船舶、宇宙炉など、エネルギー分野以外へ原子力利用シナリオを検討する。

【機能】

  • 自由度が大きすぎて難しい印象。GoldSim playerのような、用途を限定したユーザーインターフェースの構築を行う。
  • ホームページが見にくい。
  • 初心者向けマニュアルが必要。
  • (提言2-7) NMBにおいて、用途を絞ったユーザーインターフェースの開発を行う。

ご意見等がございましたら、nmb-code@cosmos.nr.titech.ac.jpまでご連絡ください。

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コロキウム報告