4/22 16:00-17:30で第一回講習会を開催しました。多数のご参加をいただき、ありがとうございました。講義部分の動画については、後日、公開予定です。
講習会や事後アンケートでのお問い合わせについて、回答・対応とともに下記のように整理しました。
- Th燃料炉は計算できる?
- インベントリの出力で、指定数以上に出力される。
- 一部の出力制御文字列をA列以外に指定することができない。
- リスタート機能を追加してほしい。
- 溶融塩炉で連続的な再処理は計算できるか?
- Puの在庫を一定量以下にするような条件を解析できるか?
- Pu在庫からMOX燃料を製造するとき、どのようにPuを選ぶか?
- 計算を終了する西暦を指定する方法は?
- コードの設計思想、使用モデルなどをまとめた文章が欲しい。
- ToutrialのB列に表示されている「Total Capacity」の発電容量の数値と、[prtPowerPlants]のTotalの数値が一致しない。
- 廃棄物から放出される放射線特性(エネルギー分布や放出率)の出力機能が欲しい。 情報を元にPHITS等と連成できるようになると、廃棄体材料の放射線影響解析等に広げられる。
- 発電所毎の使用済燃量の貯蔵容量の時系列データの追加(貯蔵容量が増設されていくことの反映)
- 使用済U燃料の中間貯蔵施設の容量変化の追加
- 入力編集の際に、入力ウィンドウが用意されると、初心者にはやりやすいかもしれない(慣れてしまえば、直接ワークシートを編集する方が早くなりますが)
- 個別のHELPウィンドウ、エラーチェック、エラーメッセージとエラー箇所の提示、など
- 小型炉の経済性など、技術選択の根拠となるような諸量評価、システム評価の手法への発展。
- ORIGENコード的機能も組み込まれたら有用性が特段に向上することと思います。
- 具体定な炉型、サイクル形態を対象にした個別の講習会が持てるとありがたいです。
- 新型炉に対しては、1群断面積を用意するために、別途、炉物理コードによる計算(SCALE、SWATなど)が必要になるのですね。
- 原子力の開発・進展に関心はあるが、コンピューター利用に疎い者のために、ゆくゆくは二・三の例題を用いて、一から入れる「操作説明書」を作成して頂けることを期待します。
- 実効増倍率が1を下回った時の計算は、どのようになるのでしょうか?
- トリウム系列や溶融塩炉の機能がほしい
- 1点炉近似で評価と炉心設計コードでの評価のインベントリの差は,無視できるように小さいでしょうか?ORIGEN2.2のライブラリを使用でききるということは,ORIGEN2.2と同じ計算方法でしょうか?核ライブラリは,何を使用しているのでしょうか?
- 今回の講演は実際に使う場合の入力の説明であり、NMBがどのような構造になっており、どのような計算をしているかという一般論や概論がなかったため、初めて聞く当方には内容が分からなかった。
- 近年V&Vについて,原子力学会・規制庁等でも議論されています。NMB4.0で妥当性評価を可能な箇所だけでも実施する予定はありませんか。
- 説明用PPTがコード実習と併用されているのですが、このような説明用PPTをご準備いただけますと、復習がしやすい気がしました。
- Call CalInitialize(MAXMATRIX, MAXMATRIX, temp(0, 0))でエラーが出ます。Excelが過度に古い(Office 2013使用)ということでしょうか。
- このコードは,既存の原子炉の運転データと,既存の処分方法等の組み合わせを変えた際の,最終的な結果の違いを検討するものなのでしょうか。それとも,燃焼計算を行っているので,例えば,フロントエンドからバックエンドまで,濃縮度のみの条件を変えた場合の計算も可能なのでしょうか。
- 将来的には実験的な検証あるいは不確かさの評価があると,他のコードと大きく差別化できるのではないかと思いました。
- 再処理能力(上限)の指定に対して,実際の再処理量がどのような考え方で計算されるのかを理解したいと思います。例えば,SF種類毎に処理割合を入力しますが,上限に対する割合なのか,実際の再処理量に対する割合なのかで結果が変わってくると思います。前者の上限に対する割合であるとすると,上限がSF貯蔵量に対して大きい場合に最初のSFばかりが処理されてしまう結果になると思います。実際の評価では,各SFの処理割合を設定したい場合があると思いますが,これは後者の実際の処理量に対する割合とする必要があります。
- また,その他の収支の計算の考え方についても理解したいと思いました。
- FAMILYコードとの比較などもあれば有用かと思います。
- 1群断面積の作り方等。燃焼モデルの解説等(Bateman法やCRAMなど)
(回答)現状、できません。データベースの追加が必要です。ORIGEN2.2のライブラリには、ThとU233を燃料とするPWRの断面積が含まれていますので、そこから作成できる可能性があります。
(対応)バグです。4.0.4で直しました。
(対応)バグです。4.0.4で直しました。
(対応)今後のアップデートで対応を検討します。
(回答)近似的に計算できます。1年に1度全量を瞬時に再処理することで近似します。1年未満での計算はできません。
(回答)自動ではできません。手動で再処理量などを調整しながら、望むシナリオを得ることになります。
(回答)LILO,LIFO、全体から平均的になどの設定ができます。
(回答) [A.D.]入力で、打ち切りたい年数で空白を入れます。計算途中に止めたくなった場合は、ダイアログボックスにある「Stop calculation」を押してください。押した次の年で計算を終えます。
(対応)現在は使用マニュアルとパーツを切り出した論文などの断片的な情報しかありません。今後対応したいと思います。
(回答)Total capacityの数値は入力チェックのための目安とお考え下さい。NMBの計算では用いられません。正しい数値は[prtPowerPlants]で出力される発電容量です。
(対応) 現在、廃棄体からの崩壊数(Bq)の時間変化は出力可能です。ガンマ線や中性子のエネルギー分布については計算できません。NMBから廃棄体組成が出力されるので、それをORIGENに入力し崩壊計算を行うことで、放射線特性を得ることができます。今後、ORIGENにふくまれる光子ライブラリを用いた実装を検討しますが、データサイズによっては実装しない判断になります。
(回答)Tutrialでは、日本全体の合計を出力するようになっていますが、入力の工夫によって計算可能です。具体的には、原子炉プラントを発電所ごとに定義し、そこで用いられる物質タグも発電所ごとに定義することになります。これまでに試みたことのない解析になりますので、不具合が発見された場合など、ご相談ください。
(回答)NMBコードで核燃料サイクルの施設容量制約を与えているのは「再処理工程のみ」です。そのほかの、濃縮、燃料製造、SF貯蔵施設などについては、年間の処理量を無限と仮定し、原子炉から要請される量をすべて賄えると仮定しています。これらに容量制限を加えると、制限を超えた時点で計算が停止することになりますので、現在のところは実装を考えていません。
(回答)対話形式の入力については、今のところ実装予定はありません。将来的に、例えば教育目的のインターフェースが必要とされた場合には改めて検討いたします。
(対応)現在、エラーが発生するとVBAのプログラムが表示され発生個所が明示されます。しかし、その原因となる入力箇所を特定するにはある程度の習熟が必要となっています。典型的なエラーの種類などのデータベースを検討いたします。
(対応)経済性については、現在実装途中となっております。データベースの整備が課題ですが、近い将来実装予定です。
(対応)NMB4.0.4のSingleFuelモードで、ユーザーが組成を入力して、単一燃料に対する燃焼計算、再処理、廃棄物管理をを計算する機能を実装しました。さらなるORIGEN的機能についても検討いたします。
(対応)今後も講習会を開催いたしますが、事前のアンケートの様子を見ながらテーマを設定します。
(回答)その通りです。原子炉データベースの拡張は核燃料サイクルシミュレータの最も重要な取り組みの一つですので、SMRなどの新型炉開発者のご参加も期待しています。
(対応)今回の講習会では、ある程度の核燃料サイクルとエクセルの知識が前提となっていました。今後、核燃料サイクルの説明や、エクセルの初歩的な使用方法も含めた講習会も検討します。
(回答)NMBでは実効増倍率を用いていません。無限増倍率を用いて、初期燃料組成を決定します。燃焼中に無限増倍率がどのような小さな値になっても一定の比出力(MW/t)を仮定して計算は継続されます。
(回答)トリウム系列の計算は(炉形データベース等があれば)既に可能です。溶融塩炉についても、前述の1年ごとに再処理を行う近似の上で計算可能です。
(回答)一点炉近似と設計コードの差は小さくないため、NMBコードを炉心設計に用いることはできませんが、将来核燃料サイクルの概要をつかむ程度の精度は有しています。計算方法はOEM法名付けた行列指数法の変形を用いています(JNST投稿中)。ORIGENより精度はわずかに(誤差がおおきなものでも数%以下。一般の核種は十分に高精度)劣りますが、大きなタイムステップでの高速な計算が可能です。ライブラリは、主にORLIBJ40という、JAEAがJENDL4.0を用いて計算したORIGEN用ライブラリを用いています。
(対応)今後の講演会で、理論・概論にフォーカスした回を検討します。
(回答)NEAで行われた、簡単な核燃料サイクルに対するベンチマーク問題での検証、および、単一燃料のORIGENおよび処分場熱解析コードとの検証を終えています。(https://doi.org/10.1051/epjn/2021019)
今後、炉型データベースを拡張する度に検証を実施する必要があります。また、解析例の蓄積により妥当性を確認していきたいと考えています。
(回答)次回から検討いたします。
(回答)Excelが32bit版の場合に現れるエラーです。NMB32bit版をご使用ください。Excelを64bit版にすることを推奨します。
(回答)後者です。例えば、使用済燃料量について、現実の発生量データを用いることなく、燃料の種類と原子炉の運転履歴からコード内部で計算されています。
(回答)燃焼解析、処分場熱解析などの要素的な計算について検証されいています。一点炉であり、原子炉一基一基の細かな燃料交換履歴を考慮できないこと、また、将来のシナリオ設定はおおざっぱになされるなど、計算精度以外の誤差が大きいため、現在は不確かさ評価については予定していません。ただし、用途によっては不確かさ評価が重要になる場合もあるので、今後のユーザー状況をみながら検討します。
(回答)前者(上限に対する割合)です。現在の仕様では、各年の総量とその内訳(比固定)しか指定できません。例えば、ある年は800トン、次の年は600トンという風にユーザーが細かく設定すれば後者に近い解析は可能になります(内訳比は固定となります)。
(回答)6.と13.で回答したように、実際の将来の運用で生じる制約条件を扱っていません。制約を再処理量などにフィードバックすると計算が不安定になる課題もあります。良いフィードバック方法があれば実装可能です。
(回答)今後、検討します。
(対応)炉物理を取り扱う回を検討します。